The Fabulous Philadelphia Sound Series - Brahms : The Four Symphonies その22009年08月01日 13時30分

The Fabulous Philadelphia Sound Series Technics
↑The Fabulous Philadelphia Sound Series Technics
from 米Columbia Masterworks D3M31636 inner text

さて、この3枚組のLP(米Columbia Masterworks D3M31636)、オートチェンジャーでかけることを前提にプレスしているので、日本のユーザーからみると首をかしげるような面割りになっている。

RECORD 1
↓Side1 - 交響曲第1番 1~2楽章
↑Side6 - 交響曲第4番 2~4楽章

RECORD 2
↓Side2 - 交響曲第1番 3~4楽章
↑Side5 - 交響曲第3番 3~4楽章、交響曲第4番 1楽章

RECORD 3
↓Side3 - 交響曲第2番 1~3楽章
↑Side4 - 交響曲第2番 4楽章、交響曲第3番 1~2楽章

レコードを3枚重ねて、

RECORD1 Side1→RECORD2 Side2→RECORD3 Side3
ひっくり返して、
RECORD3 Side4→RECORD2 Side5→RECOR1 Side6

という風にオートチェンジするんだろう・・・なあ。実際に見たこと無いから推測するしかないけど。

オートチェンジャーはレコードをストン・ストンと重ねたレコードの上を滑らせて自動交換するタイプや、長いスピンドルに数枚のレコードを串刺しにしてセットするタイプやら色々あるらしく、レコードを重ねたり、レコード同士をスライドさせた時に溝を傷つけないよう、グルーブガード盤が開発された・・・らしい。

LP album (wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/LP_album

Record_changer - Automatic_sequencing (wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Record_changer#Automatic_sequencing

正直、ブラームスのシンフォニーを全部続けて聴く人がいるのか?という気もするのだが、アメリカのLPでは結構こういう面割りのLPを見かけるのだ・・・RCA Red Seal の「復活」もそうだし・・・

このセットではシンフォニーの2番のみが、RECORD3 1枚で聴けるが、あとのシンフォニーは2枚必要なのだ。面倒な話ではあるがしょうがない・・・

このブラームスのシンフォニー全集は、1966年~1968年にかけて収録されている。1968年にこのコンビは RCA Red Seal に移籍しており、これは米Columbia 時代の最後の駆け込み録音(*)とも言える。

(*)このあたりの事情については下記をどうぞ
Glorious Sounds of Music
→Ormandy & Philadelphia Orchestra, ETCETRA
→1970年代からの RCA READ SEAL の低迷の原因は ormandy/philadelphia に有り?
http://www.ne.jp/asahi/tron/music/OrmandyEtcetra.htm

この当時、マルチマイクによる収録方法がだんだん浸透してきたのか、このアルバムにも、そのマルチマイク収録方法の説明とマイクセッティングの簡単な図解が記載されている。

それによれば、12から15本マイクを立てて、15chのミキシングコンソールを通して 4ch テープレコーダーに録音し、最終的に2chにトラックダウンする・・・とある。細かいところは写真の文書を見てもらうとして、こういうことを書いていた時代があったんですな・・・

おっと、肝心の演奏について。スケール雄大、ノックアウト級の演奏である。1番、3番、4番は文句なしに素晴らしい。2番も悪くないが幾分推進力に欠けるきらいがあるが、終楽章のフィナーレは流石の迫力というところか・・・

音そのものについて、マルチマイクの弊害の面が出たのか、高音(ヴァイオリン)は荒れ気味で低音不足の感があるが、これはトーンコントロールである程度補正して聴くと良いと思う。CD化された1番・2番・4番はこのあたりがかなり改善されており、3番のCD化を望むのもそういう音質向上を期待してのことである。

CD2枚組で4曲収まる筈だし、ハイドン・バリエーションとかも含めてCDで全集を出して欲しいものだ・・・(了)

The Fabulous Philadelphia Sound Series - Brahms : The Four Symphonies その12009年08月01日 12時56分

米Columbia Masterworks D3M31636( (C)(P)1972, Gray Label 3LPs )
米Columbia Masterworks D3M31636
((C)(P)1972, Gray Label 3LPs)
THE FABULOUS PHILADELPHIA SOUND SERIES
BRAHMS : THE FOUR SYMPHONIES
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

also available on CDs
●Symphony no.1 & no.2 - 米Sony Classical SB2K63287
(P)1972,1980,1997 / (C)1997 (2 CDs)
●Symphony No.4- EMI Classics(IMG Artists)
GREAT CONDUCTORS OF THE 20TH CENTURY Series
7243 5 75127 2 5 (UK:CZS5751272) (P)2002 (2CDs)

残念ながらCD化の気配が途絶えたままとなっている、オーマンディ・フィラデルフィアによるブラームスの交響曲全集です。

横田さんのオーマンディ・ディスコグラフィによると、オーマンディのブラームス(交響曲)の録音歴は下記の通り。

Brahms
Sym. No.1 [M]50/11/05 (C)
Sym. No.1 [M] LIVE in Moscow 58/05/29
→ (Melodiya) LP M10-47161
Sym. No.1 [S]59/02/08 (C)
Sym. No.1 [S]68/05/19 (C) ● → available on CD
Sym. No.2 [M]40/02/26 (R)
Sym. No.2 [M]53/02/15 (C)
Sym. No.2 [S]66/04/06 (C) ●  → available on CD
Sym. No.3 [M]46/04/19 (C)
Sym. No.3 [S]67/01/31 + 67/03/13 (C) ●
Sym. No.4 [M]44/11/19 (C)
Sym. No.4 [S]67/10/25 (C) ●  → available on CD
[M]ono,[S]tereo,  [Label]:(C)BS, (R)CA

横田さんのオーマンディ・ディスコグラフィ
http://www.geocities.jp/ormandy/ormandy_disk.html

●印がこの3枚組のLP全集に収められている演奏。残念ながら3番のみが未CD化であり、CD化された演奏もそのCDが入手困難な状況となっているため、いくらこの演奏が素晴らしいと言っても、入手出来ない録音ではどうしようもない・・・という状況となっている。

CD化については、ソニー・ミュージック・ショップのオーダーメイドファクトリーにリクエストを出すしかないようである。

ソニー・ミュージック・ショップ - オーダーメイドファクトリー
http://www.sonymusicshop.jp/ordermf/index.html

採算に見合うだけのリクエストが集まれば、CD化実現の可能性もあるということだろう。CD化を希望する方はリクエストを出してみては如何?私もとりあえずリクエストをしてみました。

以前、ソニー・ミュージック は「クラシック復刻館」でリクエストを募っていたが、どうやら今は活動停止のようである。また再稼働して欲しいものであるが・・・ここからは、ゼルキンとのブラームス2番ピアノ協奏曲やマーラーの10番交響曲(クックの演奏会バージョン)という超弩級の復刻が成されているし・・・

SME クラシック復刻館
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Classical/Special/fukkokukan/

Mahler: Symphony No.10 (Performing version by Deryck Cooke)
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/SR/eugeneormandy/?SICC-534

BRAHMS:PIANO CONCERTO NO.2(Piano;R.Serkin)
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/SR/RudolfSerkin/?SICC-536

さて、とりあえずCD化が期待出来ないとなると、あとは過去に出たCDかLPを探すしかない。1番・2番・4番はCDを探すことも出来るが、3番はLPしか聴く手段がない。

なんだかんだ言って、10年近く オーマンディ・フィラデルフィアのLP・CDを探してきたけど、ステレオ録音のブラームスのシンフォニーでもっとも目についたのが、この3枚組の全集なのだ。国内・海外を問わず、これ以外のLPは全くといって良いくらい見たことが無い。(バラでも出ていると思うのだけど・・・)

バラ売りの1番と4番は「CBS/SONY オーマンディ 音の饗宴1300」から出ているが、オーマンディのブラームスはあまり売れなかったのか、中古屋で殆ど目にしたことがない。

CBS/SONY オーマンディ 音の饗宴1300 全50巻 その2
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/07/25/4456495

vol.18 SOCT-18 ブラームス:交響曲第1番
http://boukyaku.asablo.jp/blog/2009/02/23/4136752

vol.19 SOCT-19 ブラームス:交響曲第4番

2番と3番はさらに可能性が低いように思える。「CBS/SONY オーマンディ 音の饗宴1300」にも入ってないし、その後の「オーマンディ名曲ベスト30」にはブラームスのシンフォニーは全て省かれているし・・・

日本コロムビア、そしてCBS/SONYから販売されていないことはないと思うのだけど、ホントにお目にかかれないのである。不思議だ・・・(続く)

Concerto in the Hungarian Style2009年07月10日 05時00分

Piano21 というレーベルがあるそうな・・・
http://www.cyprienkatsaris.net/en/piano21a.htm

ピアニストの Cyprien Katsaris がやってるレーベルのようだ。知らんかった。

Cyprien Katsaris
http://www.cyprienkatsaris.com/

ここからEMI の Ormandy/Philadelphia の音源がリリースされるそうな。

Concerto in the Hungarian Style
http://cyprienkatsaris.com/index.php?main_page=product_music_info&cPath=8&products_id=20&zenid=lpdem0ppt48t3b8vd0126ga0n0

ここで音楽を聴くことができます。気前が良いねえ。

HMVのサイトにも・・・
ハンガリア協奏曲、ハンガリー幻想曲、さすらい人幻想曲 カツァリス、オーマンディ&フィラデルフィア管
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3636054

LPと東芝EMIのCDについては、2006.5.8 にホームページで取り上げましたが、このCD廃盤になってたんですか・・・発売後3年たってたんですなあ・・・

The Fabulous Philadelphia Orchestra
under Brilliant direction of Eugene Ormandy.
-Disc Review-Other Labels
http://www.ne.jp/asahi/tron/music/OtherLabels.htm

興味のある人は如何ですか?