レコードプレーヤー用の針圧計を使ってみました・・・その1 ― 2011年09月23日 03時30分
最近のブログネタは原発関係以外が多いかな・・・?原発関係は他の人も沢山書いてるし、ツイッターでつぶやくことが多くなりました・・・
大本営発表ではない事実を知りたければ、今書店に昔の良書が大量に復刊されているし、身近な図書館で見ることも出来るし、ネットにも情報は溢れている(いい加減な情報も多いけど・・・)
ま、気が向いたらブログで原発関係も書きますが・・・興味あるサイトは随時「むすひ」に追加してます。まあ、自身のための備忘録みたいなもんです。
閑話休題、久しぶりにしょうもないオーディオの話・・・
事の発端は、SHURE の M44G と M44-7 をリスニングのTechnics SL-QX300P で使い始めたこと・・・
この2つのカートリッジ、自重(6.7g)とちょっと重量級(Audio Technica AT10G のカートリッジ自重は実測5.8g、付属シェルは13.5~14g程度でかなりの重量級)で、この背高のっぽのカートリッジに尻もちをつかせない適当な形状のシェルで軽いものがあまりないのだ・・・
残念ながら、手持ちのシェル+SHURE M44G & M44-7 の組み合わせでは、Technics SL-QX300P のトーンアームの標準ウェイトだけではゼロ・バランスが取れない・・・
ゼロ・バランスとはなんぞや・・・と言われると困るが、要はトーンアームの原理は単純で、「やじろべえ」「天秤」の類なのだ。支点の片方にカートリッジ、もう片方にバランス・ウェイトがあり、このバランスウェイトを調整して、レコードに対してレコード針をどの程度の力で押しつけるかを決めるのだ。
レコードに対してレコード針を押しつける力(針圧)はカートリッジによって推奨針圧というのがあり、普通は其の範囲で針圧を調整する。代表的なMMカートリッジでは1~2.5g程度、MCだともう少し重いかな?MCは使ったことが無いからよく知らん・・・
アームに取り付けるカートリッジとそれをマウントするシェルは様々な重さがあるから、その差異をこのバランスウェイトで吸収するのだ・・・
アームにシェルとカートリッジを取り付けたところで、ゼロ・バランス(手を離してこの天秤が水平になる状態)になるように調整する。その時バランスウェイトのメモリダイヤル(ウェイトとはルーズカップリングされていてウェイトとは別個に回せる。ウェイトを回すとダイヤルも一緒にくっついて回る)の”0”をアーム白線上に合わせる。
当然ながら、この時はアンチ・スケーティング(インサイド・フォース・キャンセラーともいう)はゼロにしておく。アンチ・スケーティングはバネ式のものもあれば分銅式のもあり、これまた多様だ・・・アームの支点も、ナイフエッジもあればジンバル・サポート(このアームがそうかな?)とか色々方式がある。一長一短でどれがベストかは良くワカランが、工作精度が要求される部品ではある・・・
針圧のかけ方も様々。アームのアンバランスで針圧をかけるスタティック方式やバネや電子制御で針圧をかけるダイナック方式等々・・・どちらも一長一短というところだろうか。
目一杯後ろに下げたところ
これでゼロ・バランス調整は完了。この状態でダイヤルを(お尻から見て)右ねじ方向に回すと、バランスウェイトが支点側に移動し、やじろべえがアンバランス状態となってレコードに針が押しつけられるようになる。その時の針圧はバランスウェイトの目盛りの数字で直読出来るのだ。精度はせいぜい ±0.1g程度 だが、厳密な針圧設定を要求するようなカートリッジでなければこの程度で十分。
ということで、普通に使う分には、わざわざ針圧計などというアクセサリーは要らないのだが・・・
んで、このトーンアームにも色々種類があり、重量級シェル&カートリッジ向きのものもあれば、軽量級シェル&カートリッジ向きのものもある。それは設計次第だ・・・
Technics SL-QX300P のトーンアームは軽量級シェル&カートリッジ向き。テクニクスもカートリッジを作っていたが、それらは軽量級のカートリッジだったと思う・・・
閑話休題
んで、手持ちのシェル+SHURE M44G & M44-7 の組み合わせでは、Technics SL-QX300P のトーンアームの標準ウェイトだけではゼロ・バランスが取れない・・・とはどういうことかというと、バランスウェイトを目一杯下げてもカートリッジ側が下がってしまい水平にならない・・・のだ。重量級アームに軽量級シェル&カートリッジではこれと逆のことが起きる・・・かどうかは知らない。
ゼロ・バランスが取れない・・・ということはダイヤル目盛り直読で正確な針圧がかけられないということだ・・・ゼロ・バランスが取れなくてもとにかく針圧かけりゃいいのだ・・・でもいいんだけど、何gかワカランというのはあまりよろしくないのだ・・・針圧は軽すぎても重すぎても良くないから・・・
それ以前に、ゼロ・バランスが取れない・・・ということは、このトーンアームに対して取り付けるシェル+カートリッジの組み合わせが不適合ということでもある・・・
そんな結論では身も蓋も無い話になってしまうので、一応救済策も無いことは無い。天秤のバランスウェイト側に重りを付加するのだ。サブウェイトという重りがある。
同じテクニクス製品で互換性があるのですんなり取り付け出来た。
これで目出度くゼロ・バランスが取れて針圧も適当にかけられるが・・・あまり良い解決策でもない。バランスは取れてもアームの支点に掛かる荷重は増える(支点のロスが増える)し、当然のことながら慣性モーメントも増える。ケース・バイ・ケースだけど、カートリッジによっては溝の振動に煽られて変に震えることもある・・・全く、気むずかしいお嬢である。
ということで、サブ・ウェイトを付加せずに針圧調整するとなると・・・針圧計で実測するしかねえなあ・・・ということになる。ということで、大須ハイファイ堂 オーディオビギナーズ店で勧められたこのオルトフォンの針圧計を買った。
Shure SFG-2 という機械式の針圧計(こちらも天秤)もありオルトフォンの電子式より安かったが、面倒な操作が要りそうなのでそれが不要な電子式のオルトフォンにした。精度は0.1gだが、まあその程度で充分。
使い方は至って簡単。スイッチを入れてターンテーブルに置いて針を(注意深く)乗せるだけ。
SHURE M44G の推奨針圧 0.75~1.5g、1.0g~1.5gあたりではバランスウェイトのねじ溝がアーム側のガイドピンから離れそうになるが、なんとか1.5g~2.0gは調整して使えるのでこのあたりで使用することにした。多少推奨針圧から重めにかけてもノープロブレムだし、僕の(大したことない)経験則からすると、推奨針圧より少し重めにかけた方が良さそうな感じがする。
カートリッジの針圧は気温次第のところもある。カートリッジのサスペンションのコンプライアンス(グニャグニャ度のこと、スチフネス(硬さ)でもいいけど、要は弾性のこっちゃ)は温度に大きく左右されるから、厳密に考えると気温で針圧を変えた方がいいのだ。夏は軽めに、冬は重めに。ま、音を聴いて違いが解らないようならどっちでもいい。カートリッジのカンチレバーが物理的に沈みすぎるとはそういう物理的な目に見える異常があればまた話は別だけど・・・
この針圧計とバランスウェイト目盛りとの差異は0.1~0.2g程度で、このバランスウェイト目盛りもまあ正確と言えることが検証出来た。
とりあえずこれで音楽を楽しみながら、もっと軽くてこのアームとカートリッジに適合するシェルを気長に探すことにしよう・・・
ま、しかしたかが音楽を聴くのにここまでするのは物好きといわれても仕方が無いが、これこそ正に「過程を楽しむことを趣味という」ものであろう・・・んでは。(その2に続く)
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