「素顔のオーケストラ」 アンドレ・プレヴィン編/別宮貞徳訳 日貿出版社 1980年2010年03月13日 10時30分

「素顔のオーケストラ」 アンドレ・プレヴィン編/別宮貞徳訳 日貿出版社 1980年
「素顔のオーケストラ」 アンドレ・プレヴィン編/別宮貞徳
日貿出版社 1980年

原書は "ORCHESTRA: Edited by André Previn (C)1979 by Geroge Rainbird" である。

この本が出版されて30年・・・2010年の今から振り返ると、アメリカのオーケストラの黄金時代・・・だったのかな。

オーマンディ/フィラデルフィアのすべて (日本コロムビア 1967年3月) に掲載されていた ローランド=ジェラットのエッセイ「フィラデルフィア管弦楽団」(ハイ・フィデリティ誌 1955年2月号記事から)にも書かれていたが、この当時からオーケストラの経営は綱渡り状態であったことが窺い知れるが、この「素顔のオーケストラ」でもその問題は根本解決に到っていないことが読み取れる。

そして残念ながら、フィラデルフィア管弦楽団 は現在経営危機に瀕している・・・

Philly.com - The Philadelphia Inquirer
Posted on Sat, Sep. 19, 2009
Phila. Orchestra needs $15 million
By Peter Dobrin,Inquirer Music Critic


The New York Times
盛者必衰・・・とはいえ悲しいですなあ・・・ま、それはさておき、この本はアメリカとそしてイギリスのオーケストラの一つの時代の記録としても興味深い内容である。オーマンディフィ ラデルフィアのファンにとっても・・・

それにしても、来月のデュトワとの来日公演(4/27(火)4/28(水))が気になるなあ・・・4/27(火) のチケットはアルゲリッチがゲストということで真っ先に売り切れたそうな・・・プログラムはとっても興味深いのだけど・・・

では。

Ormandy & Philadelphia - Brhams : Alto Rhapsody, Tragic Overture & Haydn Variations2010年03月13日 12時45分

渋いブラームスのアルバムである・・・

RCA Red Seal ARL1-3001 Jacket
RCA Red Seal ARL1-3001 LP (C)1978
BrahmsAlto Rhapsody, Tragic Overture, Haydn Variations
Shirley Verrett (ms),
Men of the Temple University Chorus directed by Robert Page
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

このアルバムに収録されている3曲は国内盤CD化されたのだが、残念なことに3曲ともバラバラのアルバムに収録されている。

Haydn Variations は ブルックナーの7番交響曲のアルバム(BMGファンハウス Edition ⅡVol.4 BVCC-38113 )へ、 Tragic Overture は シューベルトの未完成交響曲とモーツァルトのジュピター交響曲のアルバム(BMGファンハウス Edition ⅢVol.1 BVCC-38282)へ、そしてAlto Rhapsody はマーラー「復活」のアルバム(BMGファンハウス Edition ⅢVol.1 BVCC-38283-4)へ・・・という具合・・・このジャケットデザインが復刻されなかったのは実に残念だ。

RCA Red Seal ARL1-3001 Jacket 裏

収録時期は、Haydn Variations が1969年 academy of musicAlto Rhapsody も1969年だが 会場は Scottish Rite Cathedral 、Tragic Overture は同会場だが1977年収録である。Haydn VariationsAlto Rhapsody は収録されてからLP発売されるまで 10年近く眠っていた音源ということになる。もしかして、Tragic Overture は 眠っていた VariationsAlto Rhapsody の埋め合わせとして録音されたりして・・・

RCA Red Seal ARL1-3001 Label

ま、それはさておき、これはなかなか良いアルバムだと思う。バラバラで聴くのと、こうして3曲が纏まったアルバムで聴くのとではやはり聴く方の気持ちも違うというものだ・・・これまで、Alto RhapsodyTragic Overture は食わず嫌いで敬遠していたのだが、こうして聴くと良さが分かるな。

んでは。

名フィル第366回定期演奏会「春初めてのカッコウを聞いて」 愛知県芸術劇場コンサートホール 2010年3月13日2010年03月14日 17時40分


オーケストラの配置がいつもと少し違う・・・客席から見てコントラバスは左側、ハープは右側だ。指揮者の好みかな?

ディーリアスヴォーン・ウィ リアムズ の曲はなかなか良かった。ただ、曲名は「揚げひばり」より「舞い上がるひばり」の方がいいのでは?鳥の唐揚げを連想しちまう・・・ヨタ話はさておき、「揚げひばり」の旋律が中国風に聴こえるのは何故だろうか・・・

アルプス交響曲」は流石に大人数だ。舞台裏のバンダもあるしねえ。カウベルを思わぬ所から鳴らしたりと、少々遊びも入れているようだ。こういうのは好きだねえ。

指揮者が結構テンポを揺らすので、時折オケが追従しきれず「危険な瞬間」もあったが、まずまずの演奏で壮大な音絵巻を楽しめた。残念なのは、嵐の描写のところ。サンダー・マシンの音はオケに音にかき消され気味で今ひとつ。本物の雷の録音や電子効果音を使った方がいいんじゃないかな。それと、オルガンの音はもっと荒々しさが欲しいな。クライマックスは水平トランペット管を鳴らしたら良かったかも。

レコーディングならこれらの音をピックアップ出来るけど、実演では案外うまくいかないようだ。オケとの共演では、オルガンの音量不足しがちに思える。簡単には解決できないかな・・・

とはいえ、これだけの大曲を実演で聴ける機会は少ないから、地元のオケで聴けるのは有り難いことだ。

さて、来シーズンはどんな演奏を聴かせてくれるかな・・・

Ormandy & Philadelphia - Schubert "Unfinished" & Mozart "Jupiter" Symphonies2010年03月16日 07時25分

オーマンディ&フィラデルフィアのRCA Red Seal 復帰直後の録音。録音会場の Academy of Music魚眼レンズ?で撮影した写真が使われているのも特徴の一つ。ブルックナー7番交響曲のアルバム(RCA Red Seal LSC-3059、CDは ユージン・オーマンディ&フィラデルフィアの芸術Ⅱ BMGファンハウス BVCC-38113)もそうだ。

RCA Red Seal LSC-3056 Jacket 米国盤

RCA Red Seal LSC-3056 Label 米国盤
レコード・ラベルは RCA Red Seal がCIした直後の No Dog Label である。

未完成交響曲は別にシューベルト専売特許?じゃないけど、未完成といえば一般的にはやはりコレだろう。そういえば、未完成交響楽という映画もあったっけ・・・むか~しテレビで観たような・・・1933年の映画だからエライ昔である。

そんなこんなで色々と憶測を生んでいる曲ではあるが、事実は案外つまらんことかもしらん。ま、このまま謎のままにしておくのが楽しみが減らずにいいと思うが・・・ちなみに、番号付けもいまだ揺れ動いているようで、前は8番だったのに今は7番になっている・・・もうどうでもいいのだけど、そう変えられても困るわな。そういえば、ドヴォルザーク新世界交響曲も昔は今は9番だけど昔は5番だったしねえ。

そういう「深遠」な演奏を求める向きには、この オーマンディ/フィ ラデルフィアの演奏は物足りないかもしれない。素直にウィーン情緒の美しい曲だなあ・・・というところ。でも案外それが本質かもしれんよ。

もう片面の モーツァルトジュピター交響曲未完成交響曲とのカップリングとしては良い選曲かもしれない。ちょっと異色の組み合わせみたいな感じが無きにしも非ずだが、あっという間に聴き通してしまい、違和感は無い。フィラデルフィア管弦楽団の弦セクションの妙技を素直に楽しめると思う。

RCA Red Seal LSC-3056 韓国盤 Label
JIGU Records/ RCA Red Seal LSC-3056 LP (C)1969

さて、これは韓国盤のレコード・ラベル。なんか切手みたいなものが貼ってある。韓国盤はレコード番号・ジャケットデザインも米国盤と殆ど同じで、ちょっと見ただけでは米国盤と区別がつかない。

RCA Red Seal LSC-3056 韓国盤 封入解説表
これはジャケットに封入されていた解説。

RCA Red Seal LSC-3056 韓国盤 封入解説裏
解説の裏面。1967年 東京文化会館における公演の写真とマエストロのポートレイトが掲載されている。お隣の韓国ではこんな形で発売されていたんですな。

ついでに国内盤も・・・
日本ビクター RCA Red Seal SRA-2508 Jacket 表
日本ビクター/RCA Red Seal SRA-2508 LP (C)1969

国内盤は1967年の初来日の東京文化会館における公演写真をジャケットに使っている。日本のレコードは演奏家の写真を使うことが多く、それはCD時代に入っても変わっていないような気がする。

日本ビクター RCA Red Seal SRA-2508 Jacket 裏
ジャケット裏。国内盤はマエストロの写真を丸くトリミングして使うことが多いような感じがするが・・・

日本ビクター RCA Red Seal SRA-2508 Label
レコードラベルはこれまたお馴染み?No Dog である。

このLPの解説は藁科雅美氏による「オーマンディ物語 Ormandy og Philadelphia」で、これはニューズ・ウィーク誌の記事を元にしていると解説にも記載されている。恐らくオーマンディ・ファンならどこかで目にしている記事ではあるが、オーマンディ/フィ ラデルフィアRCA Red Seal に移籍した直後の期待感みたいなものが感じられて興味深い。

では。

CD化情報 Ormandy&Philadelphia - A.Schoenberg : Theme & Variations2010年03月17日 06時21分

これは2ちゃんねるの掲示板で知りました。

Columbia Masterworks M2S 767
Columbia Masterworks M2S 767 2LP Set
The Music of Arnold Schoenberg Vol.Ⅶ
※LP番号はJohn Hunt のディスコグラフィ より

この2枚組LPアルバムがそっくりそのまま2枚組CD化されたようです。CDの情報は今のところ amazon.co.ukHMVジャパン で見られるようですが、どちらも曲目情報の詳細はアップされていないようです。既にヨーロッパ(イギリス)では3月9日に発売されている盤です。

何故、Vol.ⅦのアルバムのみをCD化したのかは謎ですが、グレン・グールドの演奏が入っているせいでしょうか・・・

ちなみに、この「テーマと変奏曲」ですが、John Hunt のディスコグラフィによると、russ oppenheim ROCD 0059 にてCD化されているようです。LP板起こし?でしょうか・・・

オー マンディ/フィ ラデルフィア による シェーンベルク(この Theme & Variations)とベルクルル組曲)、そしてヴェーベルン(夏風の中で、オーケストラの為の3つの小品)の作品集のLPアルバムは Columbia Masterworks MS7041(Regular Mono ML6441) と再発盤の CBS Masterworks Portrait CBS60258 で出ていましたが・・・オーマンディ・ファンとしてはこちらのアルバムをCD化して欲しいというのが正直なところですなあ・・・

では。

Ormandy & Philadelphia - Berg, Schoenberg & Webern Orchestral Works2010年03月18日 07時20分

昨日のシェーンベルクのCD化を知って、このアルバムを引っ張り出しました・・・このLPはラジオ局用に配布されたもののようで、アルバム下に"Columbia Records Radio Station Service, Not for Sale"と書かれた紙が無造作に貼ってある。

Columbia Masterworks MS7041 Jacket
Columbia Masterworks MS7041 2eyes LP
(Regular Mono ML6441)
Berg : Lulu Suite*
Schoenberg : Theme & Variations
Webern : In Sommerwind , Three Pieces for Orchestra
*Luisa de sett(s)
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

also available on CD russ oppenheim ROCD 0059
John Hunt のディスコグラフィ より

Schoenberg also available on CD Sony Masterworks Sony Gould Jacket 88697147992 (Europe 2010年03月30日 2枚組CD) ( amazon.co.uk , HMVジャ パン)
Webern also available on following CDs
EMI/IMG Artists 7243 5 75127 2 5
EMI/IMG Artists 7243 5 75127 2 5
Great Conductors of the 20th Century Vol.13 2CDs (P)(C)2002

一見目立たないこのアルバム、実は初演魔・オーマンディのディスコグラフィの中でも重要な位置を占めるものなのかも?

Columbia Masterworks MS7041 Label
アルバム解説(Chris Nelson-Literary Editor, Columbia Masterworks )には、1930年代初め、オーマンディベルクを訪ねていたことがマエストロの回想(インタビューかな?)として記されている。

ベルクは、未完のオペラとなってしまったルルに熱狂的に取り組んでいてそのスコアを見せてくれたそうな。また12音技法やベルクの曲について尋ねるマエストロに、ベルクは論理的・知的かつ理解出来るよう答えてくれたそうな。

また、マエストロベルクに、「現代の作曲家が、彼らのオペラの重要な部分を抜き出してコンサート用の組曲を作ってくれたら素晴らしいのですが・・・」というと、ベルクは「まさにそれを今手がけているルルでやっているんだ」と答えたそうな。きっと、マエストロ はそれを初演したかったんでしょうな・・・

結局その後、ベルク は1935年に突然の死を迎え、ルル は未完のオペラとして遺されたが、この5曲から成るコンサート用「ルル組曲」は完成しており、1934年11月24日にエーリヒ=クライバー指揮でベルリン初演されている。

マエストロ は「・・・数年前(1960年代?)、ウィーン・フィルに招かれてこの曲を初めて指揮した。いつか、このオペラ全曲を指揮する栄誉を担いたいものだ・・・これは今世紀の傑作だと思うよ」と回想を締めくくっている。

今回CD化された シェーンベルクの「テーマと変奏曲」は1944年10月24日、ボストン交響楽団(指揮はシェーンベルク?)が初演している。

ヴェーベルンの「夏風の中で」「オーケストラの為の3つの小品」は、マエストロフィラデルフィア管弦楽団が世界初演しており、このアルバムは世界初録音でもあるのだ。

「夏風の中で」は1962年5月25日、第1回国際ヴェーベルンフェスティヴァルにてマエストロフィラデルフィア管弦楽団が世界初演しており、1963年2月17日に録音 している。また、「オーケストラの為の3つの小品」はフィラデルフィア(アカデミーでの定期?)にて1967年4月17日に世界初演、その3日後の20日 に録音している。

CBS Masterworks Portrait CBS 60258
CBS Masterworks Portrait CBS60258 LP (P)1967 (C)1983

このアルバムは、1983年に CBS Masterworks Portrait シリーズで再発されている。3カ国語(英・独・仏)の解説の為、残念ながらマエストロの貴重な回想は割愛されている。

Masterworks Portrait Seriesは1980年代後半から1990年代初めにCDでも発売されていたが、このアルバムについては残念ながらCD化されなかったようだ。

CBS Masterworks Portrait CBS 60258 Label
Masterworks Portrait Label

初演魔・オーマンディ の面目躍如たるものがあるこのアルバム、オリジナル・デザインとこの貴重な解説を掲載してCD化して欲しいものである。

では。

春だねえ・・・2010年03月20日 11時00分

ですなあ・・・
この木何の木?
アパート前の木のですワ・・・何の木だろ?

桜の木
近所のの木

桜の花
開花してますなあ・・・花見・・・・・・音楽も要るな・・・

・・・じゃあ、これ
MGM K12392 その1
MGM SPECIAL DISK JOCKEY RECORD K12392(45rpm)
AUGUST MOON
Vocal by SHIRLEY YAMAGUCH

この盤は昨年4月も書いたっけ・・・さくらさくらのメロディーで♪August Moon~ だって。最後は日本語で「さくら~さくら~」って歌うけど・・・?MGMThe Teahouse of the August Moon 1956年、amazon.com , amazon.co.jp )映画の主題歌らしい。 山口淑子は出演はしてないようだけど・・・August Moon って、月見のことなのねえ・・・そりゃそうだ・・・本場は中国かな・・・

MGM K12392 その2
ちなみに、この盤のもう片面は映画 ANASTASIA20世紀フォックス、1956年)のサントラになっている。スリーヴの裏は他のディスクの広告になっており、見ていて面白い。

Playing 'August Moon'

ということで、お盆に載せて聴くのだ・・・李香蘭といえば、夜来香だなあ・・・これはやはり、オリジナルの中国語とルンバ調のバックで聴きたい・・・有り難いことにCD復刻されている。

日本Columbia COCA-10762
日本Columbia COCA-10762 CD (P)1993年 (amazon.co.jp)

このシリーズはまずLPで出ていたようだが、どっかの中古屋さんで見かけたLP(ジャケットデザインは全く同じだったと思う)にはこの中国語の夜来香 は収録されていなかった。この演奏は上海吹き込み(年代記載無しだが1940年代?かな)で、中国国内のみで発売されたのだろう。復刻に使用したSPの状態はあまり良くないようで、結構ノイズが多いが曲を楽しむのに支障は無い。金属原盤は廃棄されたのだろうか・・・

日本コロムビアの1945年以前の外地録音(上海百代唱片・・・現在は EMI中国 ・・・か)は不明なことが多いが、国立民族博物館が調査をやっているようで(こんなのとかこんなの)、その成果に期待できるかな。あとやっているとすれば昭和館かなあ・・・

ネットで色々調べてみると、この上海百代唱片は複雑な歴史を経て現在に到っているようだ・・・上海東方和平国際旅行社のサイトに、上海百代唱片の当時の本社の建物(百代小紅楼 - La Villa Rouge)の情報があり、簡単な歴史も書かれている。(この情報は、「おで様流」の「Shanghai Lounge Divas その1 / 百代唱片公司と白光の巻」で知りました)そうか、百代はフランスのパテから来てるのか・・・そういえば、周恩来も若い頃はフランスに留学していたとか・・

このCDの野口久光氏による解説は実に興味深い。1945年の春(5月頃らしい)、上海で行われたコンサートに、服部良一がガーシュインの「ラプソディー・イン・ブルー」にヒントを得てシンフォニックな編曲を施し、李香蘭のヴォーカルをフューチャーした「夜来香ラプソディー」を演奏して、それが大変な好評だったそうな。同年8月9日にはアンコール・コンサートが開催されたそうで、その翌日、日本はポツダム宣言を受諾・・・歴史だねえ・・・残念ながら、この「夜来香ラプソディー」は音源としては無さそうだ・・・

李香蘭の熱心なファンである方のブログ(音顧値針 蓄音機 SPレコード 骨董 辺境の旅)も見ていて楽しい。

なんか話が春から離れてしまったなあ・・・このへんで。



私的コンピューター史 その1(松下電器産業 JR-100)2010年03月22日 13時00分

はじめてのマイコンは、松下電器産業(株)のJR-100だった・・・

今は「パソコン」だが、昔は「マイコン」だったのだ・・・micro computer というよりも、コンピューターを個人所有する "my computer" の意味合いだったかな・・・意味合いとしては マイクロコントローラー とか 組み込みシステム の方が正確ではあるが・・・

当時はナイコン族と自称していたぜ・・・NECPC-8001富士通FM-8シャープMZ- 80C、80B8 ビット御三家だ~)そしてApple][? なんかに憧れてたしなあ・・・片田舎で、パソコン置いている店なんか一軒しかなかったし・・・

NHK教育テレビジョンの「趣味講座 マイコン入門」(昔のテキストどっかにいっちゃったな・・・)とか、パソコンサンデー なんて番組も見てたなあ・・・

小学生当時、当時流行のパソコンが欲しくて・・・とはいっても小学生のお小遣いで買えるような代物では無いから、ラジオの製作月刊マイコンマイコンBASIC Magazine などの雑誌を買ってあれこれ夢想したものだ(I/O とか RAM とかもあったな・・・ASCII も・・・)

「素晴らしいマイコンの世界」(白田由香利著 電波新聞社 1981年、amazon.co.jp )とか、「まんが版 こんにちは マイコン」(すがやみつる 小学館 1982年、amazon.co.jp )とかも読んだな~。「素晴らしいマイコンの世界」では、マイコンの自作(CPU選びから設計まで・・・凄いな・・・)奮闘記?や簡単なBASICの解説があったかな・・・「まんが版 こんにちは マイコン」は当時人気だった「ゲームセンターあらし」の漫画を使ったマイコン入門書だった・・・「素晴らしいマイコンの世界」はまだ実家にあったかな・・・「まんが版 こんにちは マイコン」はもう処分しちまったかな・・・もう一度読みたくなってしまった。

そういえば、ASCII に連載されていた「Yoのけそうぶみ」、あれも面白かった。当時のマイコン4台雑誌(月刊マイコンI/ORAM)の中でASCII は「Yoのけそうぶみ」とか洒落たエッセイがあり、なんとなく垢抜けた雰囲気があった。

「Yoのけそうぶみ」、1987年に単行本(amazon.co.jp)で出てたのね・・・知らんかった・・・また読みたいな。ちなみに、ASCII から数年前に出ている「蘇るPC-**01伝説」シリーズで、彼女のエッセイ(復刻&新規書き下ろし)が掲載されていて、おもわず感慨に耽ってしまった・・・

閑話休題

ちょうど中学生になったころかな・・・どっかで中学生くらいを対象としたマイコン講座を募集していて、両親から応募してみたら・・・ということで応募したけど、応募多数で選から漏れてしまった・・・

それを哀れに思った両親(よっぽどがっかりしてたのかな~)が、ナント、このJR-100を買ってくれたのだ。ホント、嬉しかったねえ。

CPUは当時日本で多く使われていた Intel8080ザイログZ80 では無く、 モトローラ68026800系統ですなあ)で、主記憶RAMは16kB・・・5万円台のパソコンとしては大容量であり、拡張ユニットでメモリ増設(+16kBで32kB迄)も出来たが、恐らく拡張ユニットを買った人はそういないのではないかな。16kBのメモリ容量を使い切ることはなかったし、そんなプログラムもなかったと思う。ROMは8kBで整数BASICが使えた。VRAMは1kBで、24行×32文字のモノクロ表示が出来た。家庭用のテレビで綺麗に写すにはこんなところだろう。高解像度グラフィックスは無し。

整数型BASICとモノクロキャラクタ表示のみという割り切りで、CPUクロック1M未満(890kHz?)であってもまあまあ結構な速度で動いてくれていた。ユーザー定義できる文字が32文字あり、ゲームとかに使ったかな。スクリーン・エディタも使いやすく工夫されていた。主要なコマンドはCtlキーとの併用で一発入力できたし、グラフィック文字もキーボードから直接入力できたと思う。キーボードはゴム製でいかにもおもちゃだけど、当時はあれで感動したんだよな~、自分が好き勝手に出来るパソコンというだけで・・・

近所でもらってきた真空管式の白黒テレビに、JR-100の画面出力をRFコンバーターとインピーダンス整合器(75Ω→300Ω)を介して接続して表示していたのも懐かしい想い出である。モニタなんて高くて買えなかったからねえ・・・

プログラム記憶媒体はカセット・テープである。これもデータレコーダーなどという高価なものは買えないので、たまたま持っていたソニーのモノラルテレコを使ったが、たまたま相性が良くて、殆どテープ・リード・エラーは起こさなかったな。まあ、ボーレート 600ボーとそう高速ではなかったからかな・・・

このJR-100で数年間遊んだなあ。初めは付属のデモンストレーション・プログラムのテープ等で、その後はベーマガ等雑誌のプログラムを打ち込んだり、自分でBASICプログラムを組んだりして。確か、メーカー主催のファンクラブにも入って、会報誌やプログラム・テープも買ったような・・・結局、松下MSXに力を入れ始めてJRシリーズは縮小、ファンクラブも解散してしまいましたが(これは悲しかった)・・・少数派の悲哀はこのころからか?(笑)

そうこうして、パソコン熱も冷め始めた夏のある日、なんかの無限ループをJR-100で動かしていて数時間放って置いたら、熱暴走(かな?)で動かなくなってしまった・・・電源を切って入れ直しても再起動しない。時間をおいて再度電源を入れても起動しない・・・こりゃ、熱で素子がやられたな・・・ということで、このJR-100は廃棄処分と相成ってしまった・・・

・・・もう、この頃は兄貴のお古のPC-8001mk で、昔懐かしのインベーダー・ゲーム (確か、月刊マイコンマシン語のダンプリストをひたすら打ち込んだような・・・)や、電波新聞社ギャラクシアン とか、ハドソンソフトサラダの国のトマト姫 とか マリオ・ブラザーズ任天堂ゲームの移植)とかで遊んでいたし・・・とってもこの当時既に PC-8001mk は時代遅れの機種だったが・・・ディスプレイもグリーン・モニタだったが・・・

・・・ということで、JR-100のことは既に忘却の彼方であったが、ナント、JR-100のエミュレーターがある(下記)という・・・

KemusiroWebJR-100 エミュレータ
http://www.asamomiji.jp/kemusiro/index.php?JR-100%A5%A8%A5%DF%A5%E5%A5%EC%A1%BC%A5%BF

早速ダウンロードして動かすと、おお、懐かしのあの画面が・・・
JR-100 Emulator ブート直後画面
JR-100エミュレーター 起動直後画面

昔の8ビットパソコンはみんなこうだったのね・・・(シャープのMZ- 80C、80B はクリーン・コンピューターだから違うけど・・・)

さて、昔の本が手元にある。

JR-100 応用プログラム集 有澤誠編・松下通信工業(株)監修 誠文堂新光社 1982年3月
National JR-100 応用プログラム集 有澤誠編・松下通信工業(株)監修 誠文堂新光社 1982年3月

暫くコレで遊ぼうかな・・・シミュレーションライフゲーム とか)や簡単なアルゴリズムの基礎(ソートシャッフル、2つの数字の最大公約数を求める・・・とか)を簡潔なプログラムで動かすとか、単純で奥が深く、色々応用できるように配慮されている。

そういえば、昔 「パソコン・アニメーション―絵を描くパソコンJR‐100,JR‐200」(佐藤 明著、誠文堂新光社 1983年1月、amazon.co.jp )という本も昔持っていたが、処分したのか手元に無い・・・結構洒落た本で記憶に残っているのだが・・・惜しいことをしたかな・・・

JR-100関係では、「パソコンをマスターする本 National JR-100」(松下通信工業(株)、誠文堂新光社 1982年2月 amazon.co.jp )という本もあったと思うが、これは製品付属のユーザーズマニュアルと殆ど同じ・・・と何かで読んだことがあるが、実物を見ていないのでなんとも言えない。

JR-100の情報があるサイト・・・
 郷愁のパソコンNational JRシリーズ -JR-100
 Attic or Garre - Time Machine - JR-100

JR-100が最初のパソコン・・・という人、結構いらっしゃるのですねえ・・・嬉しいなあ・・・
 ふあうのほ~むぺ~じJR-100 ぎゃらりぃ
 小宮日記
  初めてのマイコンが JR100の仲間!
  JR100のエミュレータ
 応用プログラミング集

んでは。

Tennstedt & LPO - Mahler Symphony no.2 "Resurrection"2010年03月23日 21時45分

久しぶりにNMLの音源を聴きました・・・
NML LPO-0044
マーラー:交響曲第2番「復活」
(ケニー/ファン・ネス/ロンドン・フィル/テンシュテット)(1989)


テンシュテットといえば、昔、東芝EMIからワーグナーの管弦楽曲集(ニーベルングの指輪)のLPが発売されていて、それがディジタル録音初期の凄まじい音だったのが印象に残っている。オケはベルリン・フィルだったかな・・・

最近はテンシュテット と言えばライヴで燃える指揮者ということで、彼の残されたライヴ録音がこれでもかこれでもか・・・というくらいに出てくる。僕も興味があって数枚聴いたけど、あまり印象に残っていない。

LPOレーベルの音源。NMLで聴いてみたが、なかなかの名演だ。

ライヴのはずだが、客席ノイズが殆ど聴き取れないので、ゲネプロの音源も使っているのかな。実にクリアな音だ。最後は盛大な、足踏みも加わった凄い拍手だが・・・

Ormandy/Wiener Philharmoniker & R. Serkin at Theater an der Wien, June 9th,19632010年03月26日 01時25分

昨日?、HMV ジャパンから届いたので早速観てみました・・・このDVDについては以前書きましたな・・・

Dreamlife DLVC1212

観て気になったのは、映像が音声よりほんの僅か遅れている感じがすることだ・・・他のDVD(オーマンディ以外の)でもそういうことがあったから、こういうのは困るなあ。ごく僅かな遅れなのだけど、一旦気になり出すとどうも・・・

・・・DVDは複雑なデコードをしているからプレーヤー(ちなみにワシは マランツ DV7001 を使ってます)によってはそういうことがあるのかもしれない。DVDプレーヤーに映像と音声のタイミングを手動で微調整できる機能を付けて欲しいものだ。プレスされたディスクの修正プレスは難しいだろうが、プレーヤー側で補正すれば良いのだから。

今の技術なら難しいことはあるまい。CDプレーヤーにピッチ調整を付けて欲しいのと同様、DVDプレーヤーにも「ピッチ調整」と「映像と音声のタイミングの微調整機能」を付けて欲しいものだ・・・

閑話休題

パッケージには山崎浩太郎氏による簡素な解説が封入されているが、なかなか興味深い内容だ。解説には、ウィーン・フィルのオットー=シュトラッサーの回想(「栄光のウィーン・フィル』オットー=シュトラッサー/ユリア=セヴェラン訳 音楽之友社刊、amazon.co.jp )が引用されており、それによれば、オーマンディは「・・・多くの場合指揮棒なしで指揮をした。・・・」とある。この本を読んでいないので詳細は知らないが、今度図書館で借りて読んでみるか・・・(そういえば、以前図書館でウィーン・フィルに関する本を2冊借りたが、それとはまた別の本だな、これは・・・)

ちなみにこの映像では、マエストロはバトンを使って指揮をしている。

マエストロのバトンについては、Herbert Kupferberg(2001年2月に83歳で亡くなられていたのですね・・・合掌・・・)著 "Those Fabulous Philadelphians" (Charles Scribner's Sons, New York 1969年, amazon,co,jp , amazon.com ) に、著者とマエストロとの対話(1968年10月フィラデルフィアにて)が載っているので、少し長いが引用すると・・・

   I always used a baton when I conducted, until 1939, when I tore a ligament in my right shoulder and had to have an operation. The doctor recommended I stop using the baton then; the strain is much less without one. In 1950 when I was rehearsing "Fledermaus" at the Metropolitan Opera the singers on the stage told me they couldn't see my beat, so I borrowed a baton and the problem was solved. From then on I used the baton for operas, but not in concerts. In 1960, after talking it over with my doctor, I started to use the baton for concerts again and have been doing so ever since. It makes little difference to me, although I find that the member of the orchestras prefer to have me use the baton.
 - Ⅳ The Ormandy Era - A talk with Ormandy より

簡単に言えば・・・「1939年まで指揮棒を使っていたが、右肩の靱帯を痛めて手術した際に医者から指揮棒を使わないよう言われて止めた。1950年にメトロポリタン歌劇場で「蝙蝠」を指揮した際、歌手から指揮が見えないと言われたので、指揮棒を借りて振った。それからオペラでは指揮棒を使うようにしたが、コンサートでは使わなかった。1960年になって、医者が大丈夫と要ったので、それ以来指揮棒を使っている・・・」(間違ってたらごめんなさい、英語全然駄目なので・・・) この会話は、1972年来日時のパンフレットにも引用されている。(オルマンディは語る-伊奈一男氏)

DVDの解説によれば、マエストロがウィーンの定期に招かれたのが1956/7シーズンとのことで、以後(定期?)には1958/9、1966/7、1968/9、1969/70と合わせて5回招かれているとのこと。「会話」によれば、1958/9はバトン無しで、1966/7以後はバトン有りで指揮していることになるが・・・1963年のこのDVDの映像ではバトン有りである。

ま、マエストロ曰く「そんなことは私にとっては大したことじゃないのだが・・・」というところだが、きちんと何年に・・・などと律儀に答えているのはいかにもマエストロらしい・・・

またDVDの解説によれば、この演奏会では、DVDに収録されている2曲の後にR.シュトラウスの曲が演奏されたらしいのだが、どうもその映像は現存しているかどうかよく分からないようである・・・残念ですなあ・・・

ありゃ、もうこんな時間か・・・では、良い夢を・・・