Honegger's Jeanne d'Arc au bûcher2012年11月23日 10時10分

 去る11月18日はマエストロ・ジーンの113回目の誕生日なのであった・・・ということで、久々にマエストロのディスクを採り上げる気になった。

Columbia Masterworks SL178 Jonegger Jeanne D'arc au Bucher - Jacket
Columbia Masterworks SL178(ML4669-70 2Lps,Blue Label)

Vera Zorina in Arthur Honegger's Dramatic Oratorio
Jeanne d'Arc au bûcher
Text by Paul Claudel

with Raymond Gerome
and Frances Yeend, Carolyn Long, Martha Lipton, David Lloyd, Kenneth Smith

Temple University Choir(dir. Elaine Brown)
St. Peter's Boy's Choir(dir. Harold Gilbert)

Narrators: Ann Carrere, Charles Mahieu, Jean Julliard
Boy soprano : John H. Brown

Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
収録日:1952年11月16、12月21日(横田さんのオーマンディ・ディスコグラフィより

オネゲルのオラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」は小澤征爾が採り上げているなあ・・・というくらいの印象しか無く、オネゲルは苦手というか、単なる食わず嫌いというか・・・ということで、このオーマンディ盤、アメリカの中古屋さん(だったと思うが・・・)から入手して10年近く眠っていたと思う。今回クリーニングにして漸く聴く気になった・・・

オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団の20世紀クラシック(Eugene Ormandy conducts 20th Century Classics)というCD12枚のボックス・セットがリリースされたが、残念ながらこのオネゲルのオラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」は収録されていない・・・

このオネゲルのオラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」、日本コロムビアより1955年11月にリリース(WL5152~3)されているそうな(マイクログルーブからデジタルへ 上巻 岡俊雄著 音楽之友社 1981年6月より)。この曲の国内盤リリースがあったとは驚きである。こんなの(酷い言い方だが・・・)売れたのだろうか・・・というくらい前衛的なレパートリーだろうから・・・

因みに「火刑台上のジャンヌ・ダルク」の初演について、Wikipediaによると、

  It premiered on 12 May 1938 in Basel, with Rubinstein as Jeanne, and Jean Périer in the speaking role of Brother Dominic with the Basel Boys Choir singing the children's chorus part, and Paul Sacher conducting. The work was first performed in Canada at the Montreal Festivals in 1953 under conductor Wilfrid Pelletier.

だそうな。また、この演奏のジャンヌ役のVera ZorinaのWikipediaの記述には、

  Starting in 1948, Zorina was associated with Arthur Honegger's Joan of Arc at the Stake, in which she played the title role in the first American performance with the New York Philharmonic under Charles Münch. She subsequently played the role many times, notably in the recorded performance from the Royal Festival Hall in June 1966 with the London Symphony Orchestra under Seiji Ozawa.(←この演奏、最近、タワーレコード “Sony Classical” スペシャル・セレクション第6期 にてCD化されました。)

とある。1938年の初演から14年後、1948年のMünchNew York Philharmonicによるアメリカ初演から4年後にこの盤は収録されている。世界初録音では無いが(naxos music Library に1943年収録の演奏がある)、この曲の最初期の録音であることは間違いないだろう。

Columbia Masterworks SL178 Jonegger Jeanne D'arc au Bucher - inner1

このLP、装丁はSP(78回転シェラック盤)の名残がある。もしかしたらSPでもリリースされていたのかもしれないが、John Huntのディスコ・グラフィにはLpリリースの記載しかなかったので、たぶんLpが最初のリリースなのだろう。

Columbia Masterworks SL178 Jonegger Jeanne D'arc au Bucher - inner2

解説とLPスリーヴがボックス内の木軸に留められている・・・当時としても贅沢なボックス仕様だったのではないだろうか・・・

 さて、この録音、アメリカ初演を行ったMünchNew York Philharmonicではなく、何故OrmandyPhiladelphia、そしてColumbia Masterworksが録音を行ったか・・・

 ちなみに、この録音はエクトール(HECTOR)とPRISTINE AUDIOが市販LPの板起こしからCD化しているが、PRISTINE AUDIOの復刻盤に関するレビューとVera ZorinaのWikipediaの記述にその理由のひとつらしきものがあった。Wikipediaには、

  She(Vera Zorina) was also married to Columbia Records president Goddard Lieberson from 1946 until his death on May 29, 1977, ...

とある。下記サイトにもその旨の記載があるので興味のある方は読んでみると良いだろう。まあ、それだけがこの録音を実現させた理由とも思えないが・・・彼女はそれまでにこの役を演じてきた実績があるのだから。

PRISTINE AUDIO
PACO073 - HONEGGER Jeanne d'Arc au Bûcher (Joan of Arc at the Stake)

Audiofile Audition
HONEGGER: Jeanne d’Arc au Bucher – Vera Zorina...
by Gary Lemco


Music Web International REVIEW
Arthur HONEGGER (1892-1955),Jeanne d’Arc au Bûcher (1935)
by John Quinn


Honegger's Jeanne d'Arc au bucher session 1952年
1952年 Jeanne d'Arc au bûcher Session
(プレイバックの写真?)
Left to Right: Eugene Ormandy, Goddard Lieberson, Vera Zorina, Raymond Gerome
from "Concerto for Camera" by Adrian Siegel(POA 1972年)

この録音に関して、Those Fabulous Philadelphians(by Hebert Kupferburg)にそれらしい記載は見当たらない。フィラデルフィア管弦楽団100周年記念冊子には、セッション時の写真(上記とは異なるスナップ)は掲載されているが録音に関する記載は見当たらなかった。結構重要な録音だと思うのだが・・・

Columbia Masterworks SL178 Jonegger Jeanne D'arc au Bucher - Blue Label

レーベルはColumbia MasterworksBlue Label 。Lp初期のフラット盤。インナースリーヴは塩化ビニル製で、盤は多少ビニル焼けしていたが、音への影響はそれほど無さそうで一安心。塩化ビニル製インナースリーヴをナガオカ製の帯電防止ポリ製に交換。レイカのバランスウォッシャーでクリーニングして聴いてみた。

フラット盤の常でノイズは多めだが、まあこんなもんだろう。かなり鮮明な録音だ。この盤、オートチェンジャー仕様の面割り(ML4669 Side1,4,ML4670 Side2,3)になっているので再生は少々面倒なのだが仕方が無い。

さて、この演奏がCD化される日は来るだろうか・・・んでは。