名フィル第376回定期演奏会「ニュー・ヨーク」 愛知県芸術劇場コンサートホール 2011年1月22日(土) ― 2011年02月10日 12時40分
1ヶ月ぶりのブログ更新です。最近体調を崩して・・・昨日から風邪ひいて今日も伏せっておりますが・・・
名フィル第376回定期演奏会「ニュー・ヨーク」
愛知県芸術文化センター 芸術劇場 コンサートホール
2011年1月22日(土)
指揮:シュテファン・ショルテス(Stefan SOLTESZ)
ピアノ:ボリス・ギルトブルク(Boris GILTBURG)
アイヴズ:『カントリー・バンド』行進曲
ガーシュウィン:ピアノ協奏曲へ調
ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調 作品95, B.178『新世界より』
ガーシュイン、3楽章は痛快に突っ走る演奏だった。しかもピアノのアンコールはラヴェルのワルツと来た・・・オイオイ・・・ま、お得だと思うけど・・・
最後の『新世界より』・・・やはりこれはエエ曲やな~
指揮のシュテファン・ショルテス氏、棒振りは不器用みたいだけど、なかなか聴かせる演奏でした。んでは。
ティンクティンク at A-KOZA , 2011年2月2日 ― 2011年02月10日 12時41分
Ormandy & Philadelphia, Mahler "Titan", 1969年 ― 2011年02月10日 18時30分
(2001年)
Mahler : Symphony no.1 "Titan"
with the long-lost original second movement,"BLUMINE"
(Flower Piece)
recorded at Academy of Music, Philadelphia, June,1969
R.Strauss : Der Rosenkavalier Suite
recorded at Scottish Rite Cathedral, Philadelphia
January, 1972
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra
also available on Blue-Spec CD (2009年9月30日)
Sony Music Entertainment/Ariora Japan
RCA Red Seal BVCC-20014
SonyBMG Materworks/RCA RED SEAL 8287676233
一昨年8月、この演奏のLPのことを書きましたが、今日は久しぶりにCDを引っ張り出して聴きました・・・
マーラーの青春美曲(若気の至りともいう)ということもあり、最近はあまり食指の動かない曲になってしまったが、このオーマンディ盤はこの曲の数少ない成熟した演奏なので未だに愛聴している。
特に4楽章のクライマックス、オーマンディはイン・テンポを堅持し堂々とした終結へ導くのだが、他の演奏はアッチェルランドして尻切れトンボで終わるので、そういう演奏をきくと小っ恥ずかしくなってしまう。それがスコア通りの指示であったとしても・・・
そういえば、収録されている「花の章」、ほんのわずかコンマゼロ何秒なんだけど冒頭部分の音が欠けている。LPはどうだったかな?
カップリングされている「薔薇の騎士」組曲も安心して音楽に身を浸せる逸品。23分弱の曲なのに1トラックしか割り当てられていないのは残念だが・・・
んでは。
CD Reissue - Sony Masters Boxsets Series - Robert Casadesus plays Mozart(5CD)Limited Edition ― 2011年02月18日 08時05分
Robert Casadesus plays Mozart(5CD)Limited Edition
(Sony Music shop, HMV, タワー)
Ormandy/Philadelphia Orchestra と共演しているのは下記の3曲。
・2台のピアノのための協奏曲変ホ長調K.365(録音:1960年)
・3台のピアノのための協奏曲ヘ長調K.242(録音:1962年)
・ピアノと管楽のための五重奏曲変ホ長調K.452(録音:1963年)
協奏曲は過去にCD化されていますが、五重奏曲は今回が初CD化ではないかな?
興味のある方は如何?んでは。
名フィル第377回定期演奏会「ウィーン」 愛知県芸術劇場コンサートホール 2011年2月19日(土) ― 2011年02月20日 11時41分
愛知県芸術文化センター 芸術劇場 コンサートホール
2011年2月19日(土)
指揮:ティエイリー=フィッシャー(Thierry Fischer)
曲目:マーラー(Gustav Mahler):交響曲第9番
今回はマーラーの大曲、交響曲第9番 である。期待以上の素晴らしい演奏だった。レコードで聴くのもいいけど、こうして実演で聴くのもまたいいものだ。
んでは。
中国の不思議なカップ焼そば ― 2011年02月21日 07時58分
※ちなみに、中国の不思議な役人(The Miraculous Mandarin) の Mandarin が「中国(特に明朝から清朝まで)やベトナムの官僚を、西洋人が呼んだ語(Wikipedia マンダリン(官僚))」ということを最近知って驚いた。さらに、マンダリン という言葉には中国の共通語 とか 中国官話 という意味もあるそうな・・・
この赤いマントを羽織った筋肉質のキャラクターも良くワカラン。「営長・量鼎天」という情報以外は全て不明なのだから・・・
食べた感想ですは・・・日本の甘ったるいソース焼きそばより遙かに好みに合うというか、結構イケル。・
香辛料(山椒?※)が結構効いており、食べ進むとちょっと舌がマヒするような感じが・・・タイの辛~いヌードルカップ麺でも似たような感じが・・・でも、タイの辛~いヌードルカップ麺に較べたら穏やかな辛さでした。
※これは 麻(マー)入りでした。ちなみに、「麻」をネットで調べると、株式会社中国貿易公司のサイトに四川省産 香辛料(花椒、辣椒、八角)の記載がありました。それによると、「麻」のもとは、四川漢源 花椒(ファージャオ)Sichuan pepper で、花椒(ファージャオ)は麻(マー)を意味する痺れる香辛料だそうです。
ココイチとかに置いてある、辛さを増すパウダーで感じる、舌が痺れる感じに似ているような・・・
ちなみにこのカップ焼きそば、他にもブログに書いている人がおり、それなりにインパクト?があるようだ。
シャンハイクラシノテチョウ
http://tsubakuron.net/kurashi/sb.cgi?eid=293&com=0
魁!漢塾~灼熱の武漢ブログ。
http://boran.jugem.jp/?eid=831
中国駐在日記~湖州編
http://arch-1440.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-daca.html
Anheloの元”中国杭州市モバイル“で“留学”日記
http://d.hatena.ne.jp/Anhelo/20091013/1255394255
Levine/Philadelphia - Mahler Symphony no.9, 1979年 ― 2011年02月22日 08時00分
Mahler Symphony no.9
James Levine conducts The Philadelphia Orchestra
recorded at Scottish Rite Cathedral, Philadelphia, Jan, 1979
also available on CDs
BMG ファンハウス/RCA Red Seal BVCC-38137/8 2CDs (C)2001
Sony Masters Box Set(HMV,タワー)
James Levine conducts Mahler(10CDs)(HMV,タワー)
SME/RCA Red Seal CD/8869768609-2
10年以上前、苦労して探して、漸く Berkshire Record Outlet で見つけて入手した思い入れのある盤なので、未だに手放せずに手元に置いている。
アウトレット品なので、左下のCDケース裏側の片隅にドリルで開けた穴がある・・・ケースは交換しましたが、ケース内側の紙は穴が空いたまま・・・それでも、ようやく探し当てたCDだったので喜んで聴いたものである
当時のCDラベルの印刷も実にシンプル。光り輝くCDのロゴデザインも懐かしい・・・
それにしても、何と美しい曲と演奏なのだろう・・・それまで様々な演奏家のCDを買っては聴き較べしていたが、それもこの盤と共に終わりを告げた・・・恐らくずっとこの演奏を聴き続けることになるだろう・・・
んでは。
Historic Soundstream Digital Recording on Telarc SACD - Saint-Saëns:Symphony no.3 "Organ" a la Memoire de FRANZ LISZT , 1980年 その1 ― 2011年02月23日 07時45分
Wikipedia によると・・・
・2005年12月9日 コンコード・ミュージック・グループがテラークとヘッズ・アップを獲得。
・2009年2月にテラークの縮小によるリストラを行う。テラークは自社録音を停止、数々の賞を勝ち取ったプロダクション・チーム(現在は独立して Five/Four Productions, Ltd.)もカットされた・・・
とある。また、エリック・カンゼルの死去に伴いカンゼル&シンシナティ・ポップスとテラークの30年近くに及ぶ協力体制にも終止符が打たれることとなった・・・カンゼル&シンシナティ・ポップスのTelarc盤は結構聴いたモンだけどなあ・・・これも時の流れかぁ・・・
Telarc といえば、Soundstream社による Digital Recording がウリ・・・の時代があった。
1970年代後半から1980年代前半にかけて、ビデオテープレコーダーとPCMプロセッサーを組み合わせたPCM録音装置は、サンプリング周波数 44.056kHz(これはNTSC の規格から決まったそうな・・・ Sony PCM-F1 もそうですな)、CDも 業務用のディジタル・レコーダー が ビデオテープレコーダー を使用している経緯を踏まえ、 サンプリング周波数を 44.1kHz に定めている。
Soundstream社のディジタル・レコーダー は サンプリング周波数 50kHz(量子化はCDと同じく16bits)なので、CDのサンプリング周波数 44.1kHz よりも高域が伸びている・・・まあ、25kHz に対して 22.05kHz の違いだし、ナイキスト周波数 以上の高域による折り返し雑音防止用に高次数の急峻な アナログ・ローパスフィルタ をかましているから、カタログスペックほどの違いがあるかどうか・・・実際の所はどうなのだろう・・・ただ、高域により余裕があることは間違いない。
当時、Soundstream社によるディジタル録音のLPには、下記のスペックが高らかに記載されていた。
Frequency Response:Flat from 0 to 21kHz(-3dB at 22kHz)
Wow and Flutter:Unmeasurable
Total Harmonic Distortion:Less than 0.004% at 0VU
Signal-to-Noise Ratio:Better than 90dB RMS, Unweighted
Dynamic Range:Better than 90dB RMS, Unweighted
Crosstalk:Less than -85dB
Print-through:None
Sampling Rate:50,000 samples per second
Digital Format:16 bits linear encoding / decoding
まあ、つまりは、アナログのテープレコーダーでは実現不可能な性能を実現してますよ・・・と、ブレーク・スルーを高らかに宣言?してたわけだ。
ちなみに、Soundstream社のプロトタイプ録音機の規格はサンプリング周波数 37kHz, 量子化16bits。1977年 に Virgil Fox 最後の録音となったアルバムに使用されたSoundstream社の録音機は 37.5kHz,16bitsというもの。この演奏は Crystal Clear社の ダイレクトカッティングディスク CCS-7001(長岡鉄男 外盤A級セレクション No.125) でも発売されている。
カッティングと同時にディジタル・レコーダーを回していたのか、それとも全くの別テイクかどうかは不明だが、このディジタル録音のLP(Ultragroove UG-9003)には「演奏と周波数バランスは別物」(録音日時は全く同じ)と記載されているから、もしかしたらCrystal Clear社の ダイレクトカッティングディスク とは別テイクの演奏かもしれない。ちなみにこのディジタル録音 は1994年に 日本コロムビアからCD発売されている。(日本コロムビア/Prominent1000Series/LaserLight COCO-78390)
ところで、CDの規格(サンプリング周波数44.1kHz、量子化16bit)も1980年当時はかなりのオーバースペックだったそうな・・・A/D変換器, D/A変換器の値段は、当時 16bits は10万円、 片や14bits は1万円・・・と桁が違っていたそうな。たった2bitsの違いであれば 安い 14bits で行くべきだ・・・という声も多かったらしい。実際、14bitsの量子化 でも(自分も含めて)殆どの人は不満を感じないのだから。
結果として 量子化16bits で正解だったわけだけど、CDの規格策定時は周辺デバイスも揃っておらず(半導体レーザーもまだまだ実用化以前だったそうな・・・パイオニアのレーザーディスク・プレーヤーの最初の商用機はガス・レーザーだったし)綱渡りでの商品開発だったらしい・・・
とはいえ、この規格では品質が低すぎる・・・と文句を言う人もいたそうだ。(今でもそう、だからDVDオーディオとかSACDが出たわけだが・・・)まあ、「高すぎる」「低すぎる」と相反する意見があったということは、当時の状況や将来の予測も含めて、CDの規格(サンプリング周波数44.1kHz、量子化16bits) という規格は妥当だった・・・と言えるのではないだろうか・・・
閑話休題(話を戻して・・・)
テラーク は短いダイレクト・ディスク の時代を経て、しばらくはSoundstream社によるディジタル・レコーディングを行っていたが、CD発表後は ソニーのPCMプロセッサー(PCM-1610)及び編集機(DAE-1100)を使ったCD規格のデジタル録音に切り替えている。
これはLPというアナログ・フォーマットに見切りを付けて全面的にCD に移行したことによるもの。サンプリング周波数50kHzという規格は44.1kHzの CD とは相性が宜しくない。
LP時代末期のテラーク のLPは、当初の豪華なダブルジャケットから粗末なシングルジャケット仕様に簡略化され「音質を求めるならCDをどうぞ」といった旨の記載すらある。テラーク にとっては当時CDが理想に近いフォーマットであって、既にLPは過去のモノであり、需要があるから「仕方なく」出していたのだろう。
Soundstream社のディジタル録音は50kHz,16Bits、CDの規格は44.1kHz,16Bits だから 何らかの形で サンプリング周波数変換 を行う必要がある。一旦 D/A変換 してから再度A/D変換 するか、ディジタル領域のまま演算するか・・・テラーク は Studer SFC-16 Sampling Frequency Converter を使い、アナログのステップを通過すること無く、50kHz,16Bits のデータを44.1kHz,16Bits に変換してCD化していた。
しかし、サンプリング周波数を 50kHz から 44.1kHz に落とすことによるクオリティ・ダウン、さらにディジタル領域での演算とはいえ、かなり複雑な演算処理を施す必要があり、この演算による誤差やノイズ発生の懸念もある・・・というわけで、CD にオリジナルのクオリティをそのまま移し替える・・・というわけにはいかなかったようだ・・・
が、SACD(DSD 1bit 2.8224MHz)の規格であれば、PCM 50kHz,16Bits のデータをほぼそのままのクオリティで移し替えることが出来る・・・ということで、レーベル初期(1980年前後)のSoundstream社ディジタル録音を2001年からSACDHybrid盤として復刻販売していた。
この、1970年代後半から1980年代前半にかけてのテラーク&Soundstream社によるPCM 50kHz,16Bits 録音は、無指向性(全方向性)・双方向性マイクロフォンを極力少なく使用した独自のシンプルなマイクセッティングによる高品質録音、又は1812年やウェリントンの勝利に代表される猛烈録音を謳っていた。他にも、小澤/Boston Symphony・Mazzel/Cleveland Orchestra、そして我らが Ormandy/Philadelphia に代表されるアメリカのメジャー・オーケストラと次々に録音を進行させていたディジタル録音黎明期でもあった・・・
残念ながら、2011年2月現在ではこのSACD復刻企画もストップしており、このSoundstream社初期ディジタル録音によるSACDも市場から姿を消しつつある・・・
PCM 50kHz,16Bits から DSD 1bit 2.8224MHz への変換はカスタム・ソフトウェアを載せた "DATA Conversion System 972 Sample Rate Converter" を使用している。このSACDもその1枚。
avec "Encores a la francaise"
Charles Camille Saint-Saëns:
Symphony No. 3 in C minor ('Organ'), Op. 78
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra, Michael Murray(org.)
recorded at St.Francis de Sales Church, Philadelphia, February 6, 1980
(その2 へ続く)
Historic Soundstream Digital Recording on Telarc SACD - Saint-Saëns:Symphony no.3 "Organ" a la Memoire de FRANZ LISZT , 1980年 その2 ― 2011年02月24日 00時00分
avec "Encores a la francaise"
Charles Camille Saint-Saëns:
Symphony No. 3 in C minor ('Organ'), Op. 78
Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra, Michael Murray(org.)
recorded at St.Francis de Sales Church, Philadelphia, February 6, 1980
Ormandy 最晩年の数少ないディジタル録音の一つ。Ormandy/Philadelphia がRCA Red Seal の専属を離れた後、EMI/Captol-Angel, DELOS, Telarc,そして古巣のCBS Masterworks ともアルバムを作っている。このTelarcのアルバムは1979-1980シーズンを最後に音楽監督を勇退、挂冠指揮者に移行する時期の録音。
円熟の境地に達した Ormandy/Philadelphia の演奏を、当時最新の優秀録音、しかも豊かな響きを持つ教会という条件のもとで収録された非常に価値のあるもの。
それにしても、この貴重な録音が DSDフォーマットに移し替えられたのは実に幸運なことだ。録音から既に30年以上経過しており、1970年代から1980年代にかけての初期のディジタル録音の中には、
・録音テープの経年劣化
→ディジタル・バックアップを取ってなければ一巻の終わり
・当時のディジタル・テープレコーダーが既に無いかあっても再生不能となっている
→廃棄処分されていたり、あったとしても補修部品が既に無くなっていたり、整備出来る技術者も既におらずメンテナンス不可・・・
といった理由により既に再生不可能となっている音源も出てきている。(このことは以前「音楽と映像メディアの行方」ということで書きましたな。)
Ormandy/Philadelphia の初期のディジタル録音も既に再生不能のものがあり、同時に回していたアナログ・テープからCD化されたものもある。(ブラームスのハンガリー舞曲等)
このサン=サーンスのオルガン交響曲以外にも、Soundstream社によるPCM 50kHz,16Bits 録音がある。 RCA Red Seal とのバルトークの「オケコン」、DELOS とのチャイコの5番と6番がそうである。これらの録音も再生可能な内にちゃんとバックアップを取ると同時に、 DSDフォーマットに移し替えて再発売して欲しいものであるが・・・大丈夫かな?
さて、三管編成のオーケストラにパイプ・オルガンを加えたこの曲は、Stereo 時代より High-Fidelity 追求・Audiofile(Audiofan)向けの格好の素材の一つとして扱われた感はあるが、それはともかく魅力的な曲であり、しなやかな優美さと壮麗な豪壮さが同居する傑作。
"Philadelphia sound" がどんなものかということを想像する手掛かりとしては非常に貴重な記録だろう。シンプルなマイク構成によるオフマイク録音、耳障りな音は殆ど皆無。オルガンの音もまあまあの出来。(ヨーロッパのような美しいオルガンの音にはちょっと及ばないのは残念だが、流石にパワフル)低弦の音がちょっと隠れる傾向にあるのは残念だが、しなやかな弦と輝かしいブラス、そして曇りがなく力感のあるパーカッションが素晴らしい。1楽章の静かな部分はPhiladelphia の音質の良さが楽しめるし、2楽章はその冒頭のティンパニのメロディックで力強い音からして他の演奏とは大きな差がある。
Ormandy の指揮も特筆に値する。RCA録音の演奏と比較しても、力みが無く円熟と溌剌さが融合したような希有な演奏だと思う。2楽章のクライマックス(仏 Durand社のスコア 167ページの FF Stringendo、CDだとTrack2 14:00-)に颯爽と入って行く部分(ティンパニが雷鳴のように轟くあたりも注目)や、スコアにないトランペットの音を効果的に重ね合わせているところ (仏Durand社のスコア 170ページの Stringendo、CDだと Track2 14:20-)などは特筆に値すると思う。2楽章の最初にオルガンが壮麗に鳴り終わってから分散和音を奏でるピアノがこれほど美しく聞こえる録音も珍し い。(仏Durand社のスコア 126ページの FF Stringendo、CDだとTrack2 8:18)最後の地響きを伴うような大音響は他の録音では聴けない。とにかく、この壮麗な音響美は全編聴き所と言っても良い。
(長岡鉄男 外盤A級セレクション No.190)
first CD released as CD-80051 (P)(C)1980
Telarc が録音場所として選定したのは、 Academy of Music, Scottisch Rite Cathedral(Town Hall) や Old Met ではなく、93の音栓と4段の鍵盤を持つ Haskell 社製オルガンが設置されている聖フランシス教会。恐らく「大きなパイプオルガンを備えた音響が美しい教会」という条件に合致した場所だったと思われる。そ の甲斐あってか、音響は実に美しく不快なフラッターエコー等も殆ど感じられない。(残響の多いホールの録音で時折聴くことがある)
Telarc の初期のLPはセッション時の写真(今となってはマエストロとオーケストラの貴重な記録)や録音会場風景、当時の最新技術であるディジタル録音やレコー ド・カッティング等(使用したカッター針等)詳細な情報が記載されており、見ごたえがある。
第2版のLPはこれらの情報がごっそり削除されたシングルジャ ケット仕様になってしまっている。CD,SACDも残念ながら同様である。今後、音楽配信が主流になるこの時代、パッケージソフトはこういう情報をこそ積 極的に収録して付加価値を付けなければ売れないと思うが・・・なあ。
2000円の限定盤で出ていた国内盤もいい音がしており、オリジナル盤と遜色のない音を聴かせてくれる。プレスは国内盤の方が質が良い。
この録音は個人的にも思い入れが深い。長岡鉄男氏が「外盤A級セレクション(2)」(共同通信社(1)~(3)迄刊行)で優秀録音として紹介しており、実は私が初めて購入した Ormandy/Philadelphia のCDでもある。1988年2月頃の事だったかな・・・
まだこの頃はLP も売られており、CDはまだまだ高価でPolyGram の輸入盤(「CDは西独逸ハノーヴァー製」と書かれていたことを記憶している)に日本語解説を付したものが4,200~4,500円で売られていた。手持ちの盤は日本語解説が付いた日本フォノグラム社による国内仕様のもので価格は3,200円であった。まだこの頃は、 Ormandy/Philadelphia の素晴らしさに気がついておらず、このCDを購入したのは長岡鉄男氏が推薦していたからなのだが・・・
それにしても、自分がリアルタイムで成長からその終焉までを見届ける(というのは大げさか)というのはなんとも哀しい気分にさせるものですなあ・・・
それでは。(了)
ディジタル・オーディオは「うる星やつら」と共に ― 2011年02月25日 07時00分
中学・高校時代の吹奏楽の先輩から、SonyのCDプレイヤーを譲ってもらった・・・確か、ミニコンポサイズのCDP-30という機種だった。
※この当時はまだ 悪税無しで\3,300かな?
ディスクをトレイにセットして、Playボタン一発で サーフェイス・ノイズ、スクラッチノイズ皆無の強烈なシンセサイザー・サウンド「ラムのラブソング」がスピーカーから流れたときの衝撃の大きさは今でも脳裏に焼き付いている・・・
25年後の今、その時のCDを無性に聴きたくなり、(わざわざ)中古を入手して聴きながら感慨に耽ってこれを書いているのである・・・んでは。
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