Ormandy/Philadlephia : Saint-Saëns "Organ" Symphony ,1962年2010年12月04日 18時00分

先月29日の演奏会で聴いたので・・・

SME/Sony Classical Essential Classics SBK47655
SME/Sony Classical Essential Classics SBK47655
Charles Camille Saint-Saëns:
 1. Symphony No. 3 in C minor ('Organ'), Op. 78
 2. Bacchanale from Samson et Dalila, Op. 47
 3. Marche Militaire Francaise from Suite algérienne,Op. 60
 4. Danse macabre, symphonic poem in G minor, Op. 40
 5. Carnival of the Animals
  (室内楽版。Ormandy/Philadelphia の演奏ではありません)
 Power Biggs(Organ)
 Eugene Ormandy/The Philadelphia Orchestra

サン=サーンスオルガン交響曲は1962年の録音。場所はAcademy of Music、オルガンもホール備え付けのAeolian-Skinner Organ(参考:Ernest M. Skinner) が使われている。

オーマンディ/フィラデルフィアのすべて(日本コロムビア 1967年3月)によると、 このオルガンはエフレム=ジンバリスト夫人が亡父サイラス・H・K・カーティスカーティス音楽院の創立者)を偲んで1959年に Academy of Music に寄贈されたものだそうな。

Within These Walls - A History of the Academy of Music in Philadelphia by John Francis Marion(1984年)にも同様の記載があり(というかオリジナルはこっちかな?)、同書によると、フィラデルフィア管弦楽団の1960-61年シーズン最初のコンサートはサン=サーンスオルガン交響だったそうな。

この時の指揮は勿論マエストロ・ジーン、オルガン演奏はPaul CallawayPaul Callawayは同シーズンの9月、このオルガンの為に作曲された Barber "Toccata Festiva" の世界初演を行い、その後間もなくAlexander McCurdyWestminster Choirと共にこのオルガンの最初のリサイタルを行っている。その後直ぐに Virgil Fox もリサイタルを行ったそうな・・・

ちなみに、Barber の "Toccata Festiva" は Ormandy/Philadelphia による演奏のLP(Music for Organ and Orchestra (米Columbia Masterworks MS6398, ML5798))がある。このLPには同コンビによるプーランクオルガン協奏曲(未CD化)、そしてバーンスタインNYPによるR.シュトラウスの「オルガンとオーケストラのための祝典前奏曲(Festival Prelude for Organ and Orchestra)」が組み合わされている。

なお、Barber "Toccata Festiva"は 2005年に CD化されている。(Sony Classical - Masterworks Classic Library SK 94739, Tower, amazon.com

オルガン交響 の初出は1963年発売の米Columbia Masterworks MS6469 。手元にLPは無いけど、とりあえずジャケット写真を・・・オルガンのパイプユニットの一部が「シェル」の後方に陣取ってますな・・・

Columbia MS6469
Columbia Masterworks MS6469

この演奏、日本ではオーディオ方面でそれなりに話題になっていたようだ。「オーディオチェックレコードのすべて」( 誠文堂新光社 1976年 ) の和田則彦氏のレビューによれば、

「・・・セパレーションの優れた直接音主体のチェック向きに鮮鋭なマルチ録音の傑作であると共に、重低音再生の試金石として前記『幻想』(注:幻想交響曲のことですな)と双璧をなす。・・・」

とある。「直接音主体」なのはドライな音響を持つ Academy of Music の収録だからだろう。

CBS/SONY 「オーマンディ 音の饗宴1300」 のSOCT-21 より前にカッティング・プレスされた SOCF-22014 と SONW-20095~6 はローカットを忘れた?強烈カッティングで結構ハイレベルな低音が刻まれていたそうな・・・。「音の饗宴1300」の SOCT-21は「普通」に戻っているそうだが、それでも結構なハイレベルカッティングではあるようだ。

恐らく初CD化であろう 国内盤2枚組CD CBS/SONY 52DC363/34 はこのオルガン交響曲 (と死の舞踏)と 幻想交響曲 のカップリング。リミックスとディジタル・リマスタリング は1984年。Essential Classics盤は1991年頃にリミックスとディジタル・リマスタリングが行われたようだ・・・。国内盤 Sony Classical SRCR1627(「動物の謝肉祭」は含まれていない)もEssential Classics盤と同じマスターのようだ。

確かに、「直接音主体」であり、オルガンの音も綺麗に入っているし低音は相当のハイレベルで収録されている。当時の録音機材やカッティング・プレスの技術レベルを考えると相当な冒険をした録音ではないだろうか。

CDの音について、CBS/SONY盤より Essential Classics盤の方が良いと思う。CBS/SONY盤はテープヒス除去の為か高域をかなりカットしており、Essential Classics盤よりも鮮明さに欠ける。低音はどちらも同等レベルで収録されているが・・・Essential Classics盤 と国内 Sony Classical 盤は違いが判別出来なかったので、ほぼ同一のマスターと思われる。「動物の謝肉祭」が収録されている分、Essential Classics盤の方がお買い得。

オルガン交響曲死の舞踏 については Essential Classics盤 の方に軍配が上がったが、幻想交響曲については全く逆の結果なのが面白いところ。これはまた後日書くつもり。なお、音源比較は2台のCDプレイヤーにて同時再生して、インプット・セレクターで音源を瞬時切り替えてヘッドホンで聴いて行った。

ここで取り上げたEssential Classics盤は中古で入手可能だし、番号とデザインを変えて再発売されてもいるので入手は容易かと・・・。興味のある方は如何?