懐かしのスピーカー工作 その12008年11月05日 06時07分

スピーカーユニット表、経年劣化でウレタンエッジボロボロ(涙・・・)
上の写真はスピーカユニット表面
左:FOSTEX FE125K(新品),右:Technics EAS-10F20

今、「趣味はオーディオです」と言っても多くの人には?であろう。

「趣味のステレオ」なんて言葉はさらにそうだろう・・・なあ。ステレオがステータス・シンボルであったのはもう30~40年前の話だ。

僕あたりの世代が、趣味としてのオーディオをリアルタイムで経験した最後・・・ではなかろうか・・・(なんかヤダなあ・・・)

ま、そんな与太話(これからの話も与太話なんだけど)はさておいて、久しぶりに、実家に眠っていた、昔作ったスピーカーを蘇らせたので、まあお付き合いを。

昔、とにかくでっかい音で低音を出したかった。パイプオルガンのファンダメンタルC2(16Hz)とか、グランカッサのドスンという音、1812年のキャノン砲・・・でも、そういう音を出せるスピーカーシステムは親のスネかじりの身ではとてもとても(・・・というか、そんな音が出るスピーカーシステムは市販品にすら無い)

となると、お小遣いで何とかしようとすれば、スピーカーの自作しかない・・・ということで、長岡鉄男氏設計のハイカノン(F-102)を作ることにした。

長岡鉄男氏
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E5%B2%A1%E9%89%84%E7%94%B7

長岡鉄男氏のスピーカー工作記事を読むのは楽しかった。既成概念を疑ってタブーに挑戦するのが面白かった。1980年代後半頃だったなあ。

当時共同通信社から出ていた別冊FMfan(1987年54号)に掲載された氏のスピーカー工作記事で、10cmフルレンジユニット4本(片ch)を使った共鳴管システムのカテドラル(F-104)を知り、共鳴管システムなら安くてデカイ音がするスピーカーが作れそうだと思った。ネーミングからして、当時オルガン音楽に没頭していた僕にピッタリであった。

共鳴管方式
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E9%B3%B4%E7%AE%A1%E6%96%B9%E5%BC%8F

そうこうして、音楽之友社から「長岡鉄男 最新スピーカークラフト2 フロア型と音場型」(1989年)を読んで、10cmフルレンジユニット2本(片ch)による共鳴管システム「カノン」を作ることに決めた。カテドラル(F-104)よりもスペースファクターが良いし、安く作れるのがその選定?理由だった。

ちょうどその頃、花の御江戸で学生モドキだった僕は、夏休みを利用してスピーカークラフトすることにした。

渋谷の東急ハンズでサブロク板をカットしてもらい、実家に宅急便で送った。結構フンパツしていい合板を使ったような記憶があるなあ・・・

手の込んだ構造ではないのでそれほどの苦労は無かったが、とにかく背が高い。六尺(180cm)あるからねえ。木工用ボンドと釘で板を固定し、サンドペーパーをかけ、ウレタン塗料を数回重ね塗りして仕上げたが、シンナーのにおいには閉口してしまった。

まあ、そんな楽しい苦労を重ねて作ったシステム、さすがに、当時としては最強の10cmフルレンジユニット(Technics EAS-10F20)と共鳴管によるサウンドは独特で、鳴りっぷりの良さとスケールの大さは格別であった。

Technics
http://ja.wikipedia.org/wiki/Technics

EAS-10F20(オーディオの足跡)
http://audio-heritage.jp/TECHNICS/unit/eas-10f20.html

コイズミ無線<第1回>~スピーカーユニット聞き比べの巻・後編~
http://www.koizumi-musen.com/yuusupi-2.htm

そういえば、このユニットはユニット取り付け穴φ104に対してマグネット外形がφ100なので入れるのに苦労した記憶がある。ユニット端子への配線はんだ付けをちゃんと考えないと、あとで「ユニットが入らん!」と泣きを見ることになる。

当然、クセも大きく、ピアノは「コーン、コーン」と尾を引くような音で頂けなかったが、それでもパイプオルガンの低音がパワフルに響き渡るのを聴いて、家族が大騒音で迷惑するのを横目に音楽を楽しんだのも、今となっては楽しい思い出である。(続く)

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